理想の老人ホームが見つかる

相変わらず週末は家内との老人ホーム巡りが続いていました。

前のページの「スタッフの雰囲気・人柄を判断する」のページでもお話ししましたが、有力な候補は見つかっていました。

しかし、老人ホーム巡りを続けていく中で、ついに理想の老人ホームと巡り合ったんです。

そこは、高齢者住宅無料情報誌でピックアップしていたところでした。

総合病院の関連施設で、その総合病院は高齢者施設で住宅型有料老人ホーム、サービス付高齢者向け住宅、グループホームを運営しており、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション、居宅介護支援事業所、ヘルパーステーションも運営しています。

私は老人ホームの施設を見ていく中で病院併設の施設があればいいなと思っていました。

これまで訪ねた施設はもちろん地域の病院と連携しており、内科系が多かったのですが、中には提携病院が整形外科だったり、中には歯科という所もありました。

家族としては、万が一何かあった場合、病院併設の老人ホームであればとても安心です。

それまで、行ったことも見たこともない所でしたが、実際訪問して驚きました。

郊外でわりとへんぴな場所だったんですが、広大な敷地に大きな病院があり、その敷地内に関連施設がいくつもありました。

病院は診療科目が内科、脳神経内科、脳神経外科、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、代謝内科、外科、整形外科、リハビリテーション科、皮膚科、麻酔科、精神科といったものです。

あまりにも広大な敷地と関連施設の多さに、訪問する住宅型有料老人ホームを探すのに迷ったほどです。

住宅型有料老人ホームをやっと見つけ、ご担当の方と会いました。

入口を入るとすぐのところにスタッフステーションがあり、快く迎えてくれました。

その横には広い食堂兼ホールのようなものがあり、そこに入所されている方たちが結構いらっしゃいました。

応接室で待っていると担当の方が来られました。

その方は看護師で、スタッフの責任者の女性でした。

話してみると穏やかでとても優しそうな人でした。

チェックシートに基づき、費用やその他を確認して、実際の施設を案内していただきました。

建物自体は新しいものではありませんでしたが、掃除が行き届いており、清潔感が感じられました。

先ず、居室を案内してもらいました。

驚いたことに、部屋の中にトイレと洗面所がありました。

トイレは車いすのまま入れるよう、入り口が広く取ってあり、照明も人感で自動、手すりはもちろんの事、緊急のナースコールも2か所設置されていました。

部屋の広さも広く、日当たりも抜群でとても明るいのです。

おまけに電動介護ベッドも各部屋に付いているとのこと。

家内の父にとって電動介護ベッドはマストアイテムです。

それに何と言っても、部屋にトイレと洗面所があることが魅力的でした。

人と接することを極端に嫌い、トイレが一番心配な家内の父にとって、これほど理想的な環境はありません。

これまで見てきた施設の中で最もプライバシーが確保され、独立性の高い施設です。

部屋を見て、私も家内も一発で気に入りました。

居室を見た後、食堂や風呂を見せてもらいました。

食堂はかなり広いスペースでゆったりしています。

風呂は2階建ての建物の各フロアーに2か所、計4か所あり、さほど大きな風呂ではありませんでした。

そのほか、公衆電話の部屋や、コインランドリー室もあり、ある意味ちょっとしたビジネスホテルです。

施設を見終わった後、他の施設も案内していただきました。

病院の関連施設でしたが、入り口を出て病院とは廊下で繋がっていることもわかりました。

入口を出て廊下を通れば2分足らずで病院に行けます。

廊下の途中にコンビニのような売店がありました。

ちょっとした軽食や飲み物はここで買えます。

そしてここに決めることになる決定的な施設に行きました。

病院に向かう廊下の途中に通所リハビリテーション施設(「通所リハ」「デイケア」とも呼ばれる施設です)があったんです。

家内の父は人と接することを嫌がる内向的な性格の反面、体の機能を維持するためのリハビリには異常なくらいストイックに取り組みます。

これは家族も驚くほど熱心なんです。

デイサービスはリハビリがある一方、昼食を取ったり、レクレーションの時間があり、他人と接する時間が長いので、家内の父にはとても無理です。

本人にとっては苦痛以外の何物でもありません。

しかし、通所リハビリテーションでしたら、本人が大好きなリハビリとそこで風呂に入ってすぐ自分の部屋に戻ることができます。

他人(リハビリ担当意外の利用者)と接する時間が最低限で済みます。

その施設の風呂を見せてもらいましたが、手すりの設置された、大人が6人は入れそうな広い風呂で、これなら家内の父も安心して入浴することができます。

これらの関連施設を見学した後、再び老人ホームの応接室に戻りました。

私も家内も内心ここしかないと決めていました。

家内の父にとって、これほど理想的な施設はないと思ったからです。

担当の方に待ち状況を訪ねてみました。

すると、待機者はいるものの、認知症がなければ来月に1部屋空くというんです。

理由は、2階建ての施設で1階が認知のある入居者、2階が認知のない入居者ということで分けてあり、待機者が認知のある方ばっかりだったんです。

幸い、家内の父に認知症は全くありません。

これはラッキーです。

本人に確認しなければなりませんが、その場で仮申し込みをしました。

私も家内もここしかないと思っていました。

施設を出て、撮った写真をを手に、家内の父が入所していた老健施設に直行しました。

家内の父にすぐにでも写真を見せたかったからです。

次のページでは、実際に本人を施設に連れて行ったお話をします。

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