公的老人ホームの種類

「公的施設と民間施設がある」のページでも説明しましたが、一口に老人ホームと言っても、大きなくくりとして、老人ホームには「公的施設」と「民間施設」があります。

公的老人ホーム

公的老人ホームは有料老人ホームのように法人や個人で運営しているものではなく、国や市が運営している老人ホームのことをいいます。

実態は国や市が運営をするのではなく、社会福祉法人のような一般企業とは異なる特殊な認可を受けた法人だけが開設・運営している老人ホームになります。

国が補助金を出して建てられているため、最初に支払う入居時費用や月額利用料に関して、金額が抑えられている、生計状況によっては補助が受けられる施設です。

施設の種類としては、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、軽費老人ホーム、ケアハウスといったものがあります。

その中でのくくりとしては、主に要介護状態の方を対象とした施設が特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設で、主に自立状態の方を対象とした施設が軽費老人ホーム、ケアハウスになります。

表にまとめると次の通りです。

公的老人ホーム一覧

施設の種類 受入介護度 本人の状態
特別養護老人ホーム
介護老人保健施設
介護療養型医療施設
要介護3~要介護5
要介護1~要介護5
要介護1~要介護5
主に要介護状態の方を対象とした施設
軽費老人ホーム
ケアハウス
自立~要介護3程度
自立~要介護3程度
主に自立状態の方を対象とした施設

これらの施設は民間施設に比べて費用が安いため、入居待ちの待機者が多く、入居待ち時間の長いことが特徴です。

特に一番上の特別養護老人ホーム(特養と呼ばれます)は、常に待機者が一杯の状況のようです。

公的老人ホームの費用

施設の種類 入居一時金の相場 月額料金の相場
特別養護老人ホーム 0円 6~15万円
介護老人保健施設 0円 8~15万円
介護療養型医療施設 0円 6~15万円
軽費老人ホーム 0~数十万 3~17万円
ケアハウス 数十万~数百万円 6~20万円

公的施設は民間施設に比べて費用負担が少なくなっています。

特別養護老人ホームでは利用する部屋のタイプ別に利用料金が異なります。

1室に複数のベッドを配置しているタイプで4人部屋の多床室は個室より安くなります。

介護老人保健施設、介護療養型医療施設も同様に多床室は個室より安くなります。

軽費老人ホームの費用は「A型」と「B型」で異なります。

食事を提供するA型は、生活費として家賃・サービス提供費・食費・日常生活費を負担するのに対して、B型では、生活費として家賃・サービス提供費・日常生活費を負担して、食事は自炊することになります。

特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設は入居一時金のないことは有難いですね。

月額料金の相場に幅があるのは、本人の状態(介護度、収入など)、入居する部屋のタイプで大きく変わってきますので、施設に直接確認されることをお勧めします。

 

これまで説明してきたように、「公的老人ホーム」は「民間老人ホーム」に比べて、費用負担は少ない反面、入居までの待ち時間が長いと言えます。

次のページからは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、軽費老人ホーム、ケアハウスといった「公的老人ホーム」の具体的な内容について見ていきましょう。

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