前のページの「理想の老人ホームが見つかる」でお話ししたように、ここしかないという老人ホームが見つかりました。
私たち夫婦はこの施設を終え、家内の父が入所している老健施設に向かう車中で興奮状態にありました。
ついに見つけた、やっと見つけたという感じです。
家内の父のもとへ行き、早速デジカメで撮った写真を見せました。
私たちはテンションが上がっていましたが、家内の父は冷静そのものでした。
家内の父が言ったのは、「ここって、ずっと居れるの?」という言葉でした。
無理もありません。
1年前に自宅で転倒、圧迫骨折しこれまで病院を3回転院、その後老健施設に入所するも退去要請、実に1年間で4回も居場所が変わっていたのですから。
家内の父にとっては、落ち着くことのできる場所が欲しかったんだと思います。
ですから、病気になって長期入院したりしない限り、ここにはずっと住むことができることを話すと、ちょっと安心した様子でした。
デジカメの写真を見せ、さっき見てきたことを説明しますが、今一つピンとこない様子でした。
有難いことに、家内の父は私たちの事をとても信頼してくれていますので「お前たちが見てきて、良かったのなら間違いないだろう、そこでいいよ」という調子です。
なんだか、せっかく苦労して見つけてきたのに、反応はイマイチです。
それなら、本人を実際に施設に連れていって見せた方が早いと思いました。
早速、施設に電話し、本人を連れていきたい旨連絡すると、先方も本人にぜひ会ってみたいということでしたので、次の週末に家内の父を施設に連れていくことにしました。
本人もとても気に入る
家内の父を連れて、有料老人ホームに連れていきました。
最初に訪れた私たち同様、大きな総合病院の広大な敷地に家内の父も驚いていた様子でした。
有料老人ホームの前の駐車場に車を停め、家内の父は車いすに乗り換えそのまま施設に入っていきました。
居室に入り、その中にある車いすのまま入れるトイレを見て表情が一変しました。
足の悪い家内の父は、とにかくトイレが心配です。
現在入所している老健施設では、部屋からトイレまでが遠く、おしっこはベッドの上で尿瓶を使用しています。
それが、車いすのまま、その部屋のトイレで用が足せるんです。
これは家内の父にとって何より嬉しいことでした。
また部屋も清潔で間取りも8畳程度あり、現在老健施設では2人部屋にいますが、完全な個室であることも、人見知りな家内の父にとってはうってつけでした。
そのほか、食堂や風呂を見学し、その老人ホームから直接いける病院やその廊下の途中にある売店、そして最後に通所リハビリテーションの施設とそこにある大きな風呂も見学しました。
一通り見学し、本人に感想を聞いてみました。
「ここにホントに入れんの?、言うことないわ」と一言。
本人もとても気に入ってくれました。
「お義父さんが良かったら、ここに決めますよ」と尋ねると、「よろしく頼む」と笑顔。
やはり、本人を連れてきて良かったです。
これで、本人も私たち家族も本当に気に入った老人ホームを見つけることができました。
次のページでは老人ホームに入所するにあたっての準備についてお話しします。